昔の日活撮影所(photo1↓)

 「水と緑と澄んだ空気」 これらは映画産業に欠かすことのできない条件なのだそうです。そしてかつて、この3つの条件を満たしたのが、私たちが住む街・調布でした。

 昭和8年、日本映画株式会社が調布市多摩川に撮影所を建設しました。多摩川の澄んだキレイな水が、フィルムの現像に適していたからだそうです。
  以降、昭和30年前後には3つの撮影所の他、現像所や美術装飾会社など多くの映画関連会社が集まり、調布は「東洋のハリウッド」として日本映画の黄金期を支えました。 現在も、調布には日活と角川大映の撮影所があり、映画やドラマ・CMの制作が行われています。また日本三大現像所のうちの2つが調布にあり、国内外の映画の現像・編集が行われています。
  他にも高津装飾美術、石原プロなど映画産業の中心で活躍する企業が数多くあったり、最近はコンピューター技術を駆使しCG作成や映画のタイトルを作成する企業が活躍するなど、「映画」は現在も調布の街にしっかりと息づいています。

 調布で映画と言えば、日活撮影所と角川大映撮影所。近くに住んでいても、中がどうなっているのか知らない方も多いはず。そんな撮影所の雰囲気を皆さんにお伝えするために182ch編集部が2つの撮影所に潜入してきました!



(photo2)

 京王多摩川から桜堤通りを狛江方面に行くと左手に現れる日活撮影所。「東洋一」の敷地面積を誇る巨大な撮影所として昭和28年に建設されましたが、ページトップの空撮写真(photo1)でわかるように、当時この辺りは一面田んぼだったそうです。
(photo3)

 門(photo2)の中に入ると、受付がある昔風の建物、そして壁に描かれた江戸の街並み風の絵(photo3)が迎えてくれます。ここは以前は普通の白い壁で、壁の前にはプールがあり、そこに船を浮かべて海上のシーン(セット)の撮影も行われたりしたそうです。年代を感じさせる建物がたくさん並ぶ日活撮影所。さっそく中を散策してみましょう。

↑この壁画は背景部の方が描いたのだそうです

●スタジオ(photo4)
現在、日活撮影所には第6スタジオから第13スタジオまで8つのスタジオがあります。現在も映画やテレビ、CMなど日本における製作現場の約3割をになう、活気のあるスタジオです(ちなみに以前は第1〜第5スタジオが隣接するマンションの場所にあったそうですが今はありません)。取材時には7スタに映画撮影用のセットができていました。
●装飾倉庫(photo5-6)
ここにはありとあらゆる小道具が揃っています。下駄、雪駄から黒長靴、編み上げブーツなど、履き物だけでも数え切れない種類が古さに応じて何十セットと揃っています。
●大道具作業場(photo7)
撮影に使用するパーツを大道具さんが作成しています。その後スタジオで組み立てられます。
●衣装部(photo8)
昔ながらの服など沢山取り揃えられています。


↑このフィルムの端の黒い部分に音が焼かれるのだそうです

日活撮影所では、映画などの撮影をする設備だけではなく、「ポストプロダクション」と呼ばれる、撮影後の作業を行う設備も整っています。

●デジタルスタジオ(photo9)
撮影所正面入口を入ってすぐ右側にある建物がデジタルスタジオです。最近ではフィルムで撮影されたものをパソコンで編集する事も多く、ここで一旦デジタル化して作業します。取材時にはこのスタジオ内で「デスノート」の編集も行われていたようです。
●フィルム編集室(photo11-12)
フィルム編集室では、ポジ・ネガフィルムの編集が行われます。
●スタジオセンター
音楽の編集や録音等を行うスタジオも揃っています。

MIX A スタジオ
 ここでは音楽や効果音の編集、セリフの整音などが行われます。すごい迫力でした。

EAR スタジオ
 効果音を作るスタジオ。さまざまな道具から思いもよらぬ音が作られるのです。


下駄を履いて歩いている音作成中?→

 


 今回撮影をすることができませんでしたが、日活撮影所には「メイクアップディメンションズ」という特殊造型・特殊メイクを制作している会社が入っており、様々な顔や動物、この世の物とは思えない(笑)生物などがまるで生きているかのような表情で並んでいました。

←この裕次郎さんの人形も「メイクアップディメンションズ」作


 

(photo1)

 京王多摩川駅そば、調布南高校の隣にある角川大映撮影所。入口には2体の大魔神がそびえ立ち(photo1)、通りから覗くことのできるカフェテリアには大きなガメラが。スタジオの壁面いっぱいにたくさんの妖怪の絵が描かれているなど、外から眺めるだけでもワクワクさせてくれるスタジオです。果たして中はどのようになっているのでしょうか?ちょっと覗いてみましょう。

 敷地内には、1スタ、2スタ、4スタの3つの独立したスタジオと上下階に分かれた4つのスタジオが入った大きなスタジオ棟、そして船の形をイメージしてつくられたというMEDIA SHIP(センター棟)などがあります。

今年の1月にオープンしたばかりのスタジオ棟。総階数5階、上下階に分かれてA〜Dの4スタジオが入っています。まだ出来たばかりのこのスタジオ棟は明るくモダンなデザインでとても綺麗です。各フロアーには美術担当の社員の方作の絵やクマのオブジェなどが飾られています(photo2)
 上階のスタジオ脇の機材搬入用エレベーターはとても大きく、車ごと乗り入れられるようになっています(photo3)
 Dスタ内には、ドラマ撮影用のセットが出来上がっていました(photo4)
 下階のAスタ、Bスタには2階に「サブコントロール室」があり、ガラス窓越しにスタジオの撮影風景を見ることができます(photo6)
 屋上はとても見晴らしがよく、遠くまで景色を見渡すことができます。ここでもCMの撮影などが行われているそうです(photo5)

撮影が終わった2スタでは、セットの解体中でした(photo7)
スタジオ棟と2スタの間を抜けて、美術作業場へ行ってみましょう。

 木材をバーナーで焦がしているスタッフさん。その横では焦げた木材にすごい勢いで水を噴射し、表面を飛ばしています。これはセットに使用する木材で、こうすることで年代物の柱・壁の風合いを出すことができるのだそうです(photo8-9)

 

MEDIA SHIP
 MEDIA SHIPには出演者の控え室やスタッフルームなどがあります。シャワールームや洗濯機も完備されています。またフロアーのいたるところにガメラや大魔神のオブジェが飾られています。これらは実際に映画で使用された物だそうで、とても精巧にできています。今にも動き出しそう!

 

Kitchen Cafe ガメラ
 MEDIA SHIP1階のKitchen Cafe ガメラには新旧のガメラや敵怪獣などたくさんのフィギュアが並んでいます。マニアにはたまらない!?

 

現在、角川大映撮影所のスタジオはCMの撮影で利用されることが多いそうで、取材日の前日も「元気はつらつぅ〜」なアイドルタレントさんが来ていたそうです(おしい!)。建物内にはさまざまなオブジェや絵、写真などが溢れていて、それを見て回るだけでも楽しい角川大映撮影所でした。


 


 

 

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