京王電気軌道の無蓋貨車
東京のレジャー・リゾート地、
調布・多摩川。

 大正4年(1915年)に新宿ー調布間が開通した京王電気軌道(京王線)ですが、翌5年には調布ー多摩川原(現京王多摩川・)間が開通しました。
 川原で採掘した砂利を都心まで運ぶことを目的として敷設された路線で、河川敷まではさらに砂利運搬用のトロッコで結ばれていました。

 普段、乗客はあまり乗らず砂利を積んだ貨車・が目立つ路線でしたが、行楽シーズンには行楽客で大変混み合ったそうです。

 かつての多摩川は清流で水量も多く、アユ、ウグイ、カジカといった魚が全域でみられました。特に鮎は江戸時代には「上ケ鮎(あげあゆ)」といって、幕府にも献上されるほど、姿・味とも非常によく、他の漁場では味わうことのできない一種独特の風味があったそうです。

明治から大正にかけての鵜飼による鮎漁


 京王線の開通により、東京から大勢の人が多摩川に鮎漁や稲田堤の桜見物・に訪れるようになりました。

 多摩川原(現京王多摩川)駅周辺には、鮎料理を食べさせる料理屋・や旅館が並び、鮎漁の頃には多摩川に屋形船を出し新鮮な鮎を賞味しながら一杯楽しむ人たちや、更には鵜飼・を雇い鮎をとらせて食べたり土産にしたりして楽しむ人たちなどで、大変な賑わいをみせました。

京王多摩川駅の移り変わり







現在の京王多摩川駅

 


京王多摩川にあった鮎料理案内所「玉川亭」


大正中期のお花見風景


行楽客でにぎわう多摩川


大正中期の船遊び



 春には対岸の「稲田の桜」、夏には蛍と鮎という大人の行楽客が賑わう中、「ファミリー」で楽しむレジャースポットとしてオープンしたのが、敷地面積1万6100坪を誇る多摩川原遊園。そしてその中に建てられたのが現在は競輪場としておなじみの京王閣・でした。広い園内には、演芸館やメリーゴーランド、テニスコートや迷路、プール、ボート池、また、貸別荘などもありました。
 京王閣には円形の総大理石造りの大浴室や蒸し風呂、貸切風呂などもあり、温浴後にも楽しめる遊戯室・音楽室・美容室・カフェ・大食堂・ビリヤード室・将棋室・展望室などさまざまな娯楽施設がありました。
 この多摩川原遊園は1年間に17万人を数える観光客が足を運んだというほど、東京西南部では随一のレジャーセンターだったのです。

京王閣最大の名物「ローマ風呂

←京王閣の入口

 


旧京王多摩川駅の前に広がっていた大池。
京王閣に行くためにかかっていた橋が「弁慶橋」


京王閣内にあったベビーゴルフ場

 

 

 

 

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