サンレーヴススタイル

182ch vol.72掲載ページ

サンレーヴススタイル2016 第19回

東京サンレーヴスは2015-2016 シーズンを迎えるにあたり、下田選手を除き入れ替わった。

新生サンレーヴスの若手選手のまとめ役としてキャプテンに新里智将選手が就任した。選手としての豊富な経験と、チームを牽引できる人材として期待を込めた起用であった。

沖縄出身の新里選手は高校に在学中、国体沖縄代表の中心メンバーとして活躍した。大学に進学後も県大会3 連覇を成し輝かしい成績を残した。在学中に沖縄チームからスカウトされ入団。当時bjリーグとしては初の学生との契
約であり話題となった。

沖縄チームの選手として活躍したが退団。プロバスケ選手とは別の道を歩み、地元のクラブチームに所属しバスケをプレイした。これまでプロバスケ選手を夢見て人生を歩んだが、プロの世界から一度離れ、バスケ以外での社会で経験を積むことを選択し、人生設計を見つめなおした。
一般企業で働くうちに、対人関係の重要性、目標を明確に設定することで今までは気付かなかった経営者の立場での思考も生み出せるようになった。やがて正社員として営業職にも就いた。客観的に自己分析できるようになり経済的にも蓄えができた彼は、満を持して島根チームに練習生として入団した。プロの世界を去って5 年の歳月が経って
いたが充電期間で得た経験は十分に発揮された。

昨年、新規の福島チームへ移籍したが、プロ経験者は3 名しかおらず初めての体験であった。自分たちのバスケを貫くため、細かなミーティングを重ねチームを牽引した。
結果、21 勝を収めファイナル進出の一歩手前までのチームとなった。

学生と対話する際、インターハイに行くにはどうしたらいいのでしょうか、という質問を受けることがあるという。
新里選手は自身の立ち位置を客観的に捉え、目標を立てることが重要であると説く。周囲からもプレイの評価が高い
場合、強豪校へ進学しバスケに対して貪欲な仲間と切磋琢磨することで、新たな目標を打ち立てることができる。
自身の目指す方向の環境をつくることが、夢への階段の近道である、と彼には持論があった。
自身の人生設計を改めて考え、プロ選手の道から外れた。納得するまで自己研鑽を積み、現役復帰の時機を伺い再度プロバスケの舞台に立った。経験から語る彼の一言は穏やかな口調でありながら重く響く。

練習開始前、コーチと綿密な打ち合わせを交わしていた。キャプテンという立場を深く理解している表情があった。
これでもプロとしては4 年目ですから、と謙遜する新里選手。東京サンレーヴスに今までにないタイプの選手である。今シーズンの活躍をご期待ください。

夢への階段。



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